本年中にご不幸を出された家のお正月のすごし方　昔と今

早いもので今年も後2か月弱でお正月。そこで本年中にお葬式を出された場合のお正月をどのようにすごしますか？

お正月の準備の前に「喪に服す」とは？を考えてからにしたいと思います。

古くは古代日本の７５７年（天平宝字元年）に施行された「養老律令」の「令」の喪葬令（そうそうりょう）の中の服紀条に服喪の期間が記されています。

天皇から身内までの服喪期間が記されていますが、長いので割愛します。

さて、時は過ぎ明治７年１０月１７日に太政官（日本の律令制における司法・行政・立法を司る最高国家機関）から「服忌ノ儀追テ被仰出ノ品モ可有之候得共差向京家ノ制武家ノ制両様ニ…」とあります。

これは、服忌の制度が２通りで、武家式と公家式に分かれ武家式の方が服も忌も短いのです。政府は「服忌令」を武家方式とすることに決めて全国に一斉に布告したのです。現在では服忌に関する法律は存在せず、習慣・習俗として残っています。

父母・配偶者 50日、祖父母 30日 兄弟姉妹・伯（叔）父伯（叔）母・子供 20日 孫 10日 従兄弟従姉妹 1～3日というのは「服忌令」の名残こりです。

それでは正月のすごし方ですが、忌中の期間であれば神棚があるご家庭では、神棚に白紙を掛けお参りを控えている期間ですから初詣は控えます。神棚の御札は忌明け後に受けるとよいでしょう。

又、松の内の外出は知人と会うと「おめでとう」の挨拶になりますから避けた方がよいと思います。さて、鏡餅や門松、しめ飾りといった正月飾りは忌中の期間には飾らないほうが一般的です。おせち料理も同じです。しかし、四十九日を過ぎていれば、お正月は歳徳神様をお迎えする行事ですから供物である鏡餅は飾るという所も多いのです。鏡餅を飾るときは12月28日に飾りましょう。 28日に忘れてしまったという場合でも翌日の29日には飾りません。29日は「二重苦」につながると避けるのが一般的です。31日には「一夜飾り」と言われて忌み嫌われていますから３０日がラストチャンスですね。